左官アート額
古来、左官職人は今のようなカタログが無かった頃、上塗りの見本板を何枚か重箱のような入れ物に重ねて入れ、お客様にその中から壁の色などを選んで頂いていました。しかし、今日では、材料メーカーの作った素材カタログに仕上げの風合いもそのままに、しかも多種多様な色見本もつけてあり、左官職人が独自の見本を持つという事が無くなりました。従って、必然的に左官の仕上げというものが、メーカーの作ったもの、いわゆる「既製品」に限られ、見る人もそのように認識してしまっているのが現状です。しかし、今回ご覧になられればお解りのように、左官の仕上げは“土”ひとつとっても沢山の種類があり、その仕上げの仕方も千差万別でとてもカタログに出来るようなものではありません。
その仕上げの面白さを、50センチ四方ほどの大きさの額の中に表現したものが「左官アート額」です。今回、左官仕上げコンペを実施するにあたり、この「左官アート額」での出展方法をとらせて頂きました。初めての試みではありますが、多くの方に見て頂き、失われてしまった左官仕事の奥深さを少しでも知って頂ければ幸いです。
加賀左官伝統技術保存会 事務局長
株式会社イスルギ代表取締役専務
石動 博一 |
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主 催 |
加賀左官伝統技術保存会 |
主 管 |
株式会社イスルギ |
開催期間 |
出展受付期間
平成16年7月1日より9月30日まで |
審 査 日 |
平成16年10月15日 |
入選作品展示 |
平成16年10月19日より10月24日 |
審 査 員 |
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今回、左官仕上げのコンペティションを開催するにあたり、前述の「左官アート額」での出展方法をとり、いわゆる鏝絵や彫刻では無く、壁見本としてのコンペを目指しました。その結果、多くの独創的な作品が出展され、作品の中には左官の技法では無い「墨長し」を左官仕上げの技法に生かした作品も出展されました。左官仕上げのコンペをする事自体が、その審査基準や方法についても、困難な事ではありましたが、壁見本・アートとして誰が見ても興味を持って頂けるような作品を選出したつもりです。この画集は入選し、展示された作品のみが掲載されています。ご覧になってお楽しみ頂ければ幸いです。 |
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